Archive for 8月, 2014

熱力学との関係

自動車のエンジンの動作は、熱力学と密接な関係があります。

まず、吸気行程において、ピストンが下降していくと、シリンダ内の容積が増加して圧力が低下します。これにより、吸気バルブが開いてシリンダ内に、ほぼ常温の燃料と空気の混合気が吸入されます。
次に、ピストンが上昇すると、シリンダ内の容積が減少するために混合気が圧縮されます。
このとき、混合気は断熱圧縮されることになり、圧縮時によってピストンから受ける仕事量が熱エネルギーに変わって、常温の混合気の温度が上昇します。

ピストンが上死点位置付近まで上昇したときに、圧縮された高温の混合気に対して、点火プラグによって火花(スパーク)を発生させて混合気に点火します(爆発行程)。
このときに、圧縮されていた高温の混合気の燃焼が起こって爆発し、その体積が急激に膨張することによって、ピストンを一気に押し下げます。このときのピストンの直線的な動きが、コネクティングロッドを介してピストンに連結されたクランクシャフトにより回転運動に変換され、車輪を回転駆動させる駆動力となるのです。
なお、爆発行程後は再びピストンが上昇し、このとき、シリンダ内の排気ガスが圧縮されて圧力が上昇し、排気バルブからシリンダの外へ排出されます。

エンジンと学問

皆さんは車にご興味がありますか。ご興味のある方は、車がどのような仕組で動くのか、またエンジンを作るためにはどのような学問を習得する必要があるのか、どのようにして自動車は出来上がり、現在へと繋がっているのか、ここまで話が大きくなるといくら自動車が好きな人でもなかなか答えられるものはないかも知れません。自動車のルーツは1880年代のフランスに端を発し、その後、欧米を中心にその進化の場を広げて来ました。当初は蒸気機関という蒸気により動力を伝えるという仕組みにより自動車を動かすことが主流でした。その後、ガソリンの爆発力によりピストンを動かし、その動力をシャフト、タイヤへと伝道させるという仕組みに変わってきました。1890年代になると蒸気機関は鉄道へとその姿を変え、自動車は燃焼型の動力にその道を変えて来ました。これらを統率する学問は物理学、電子工学、理工学、熱化学、などです。そのほかにも自動車は約2万点の部材により構成されているため、元をたどればその部品に関連するだけの知識が必要になります。ガソリンの燃焼系やオイルなどの循環、気化という分野で考えるならば化学も必要になります。またシートベルトやエアバックであれば医学的な知識も必要です。

ハイブリッドエンジンについて

ハイブリッドエンジンは日本の自動車製造業が開発したもので、近年になって特許が切れたことにより、外国企業が参入して様々な機能や能力が付加され、開発当初のハイブリッドよりさらなる進化を遂げました。
日本企業と海外企業のハイブリッド技術の違いは燃費の点で歴然とした違いがあります。
日本企業が開発するハイブリッドは、元々日本が戦後の外交が不利となると、幾度と経験した石油危機のたびに、燃料調達に苦労してきた背景を持つため、他の諸外国に比べて燃料の消費に関する着目点が高かったことが開発の一躍を担ったと言えるでしょう。
ハイブリッドの弱点として、電池の寿命やパワー不足が問題としてありますが、パワー不足を補うためには、過給機などを搭載したハイブリッドなどが開発されました。

日本の場合、燃費を最大に考えるため、燃費最高モデルでは1リッターあたり最大で実質30キロメートル以上も走行が可能で、燃料タンクやエンジン、ボディーのダウンサイジングが現実的となり軽量化がさらに、燃費を向上させるものです。
プラグインハイブリッドなどの技術も海外企業に比べて進んでいるのですが、海外マーケットとして最大の北米市場では、馬力の点やバッテリー劣化時の高コスト面で不人気となるため、この問題の解消が今後の課題と言えます。

ディーゼルエンジンについて

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンとは異なり、軽油を燃料とするエンジンです。ガソリンエンジンの場合、圧縮した混合気に点火プラグで火花を散らし爆発させることで回転力を得ますが、軽油の場合はガソリンエンジンとは比べ物にならないほどの高圧に圧縮することによって自己発火させることで爆発力を得ます。したがってスパークプラグはエンジンを始動するときだけに用いる点火プラグのみであり、電機系の部品が圧倒的に少ないのが大きな特長です。ただ、通常燃料を含んだ混合気を高密度に圧縮する必要があるため、エンジン自体にそれに耐えられるだけの強度が求められ、どうしてもエンジンの重量が増してしまうことが弱点の一つです。また一般的に振動と騒音が大きくなってしまう点も欠点とされています。ただしガソリンエンジンと比較しても寿命が長く、経済的にも優れているのが大きなメリットです。ヨーロッパでは日本における経由よりも高品質の軽油が用いられていることもあり、環境性のに優れているというイメージが定着しています。また、最近では日本でも新たな技術開発により従来よりも低圧縮で爆発させ環境性能に優れたエンジンが開発されました。今後、日本でもディーゼル車が普及していくものと考えられます。

エンジンの種類について

ロータリーエンジンとは、1950年代にドイツ人技術者フェリクス・ヴァンケルによって開発されたエンジンで、おむすびのような形をした三角形の回転子(ローター)と楕円形の窪みの空いたローターハウジングを組み合わせたエンジンです。通常みられるレシプロエンジンは、燃料を霧状にした混合気を円筒形のシリンダーの中に吸気し、圧縮・点火、爆発させた後に排気という一連の過程から駆動力を得ようとします。この過程をローターの回転することでハウジングとの間に生じる隙間に従って、吸気、圧縮・点火、爆発・排気の4行程を行うもので、レシプロよりもきわめてスムーズに行程が進むことに特徴があります。レシプロエンジンではピストンの往復運動を回転運動に変換するため構造的に一定のエネルギーロスが生じますが、ロータリーは最初から回転運動であるため構造的なロスがありません。またエンジン全体が小さく、軽量に組み上げることができるのも大きな利点です。その一方で、各工程の密閉を保つための技術が非常に困難で、また燃費性能が劣ることも欠点の一つです。ただこうした欠点を補っても余りある性能の高さゆえに、スポーツカーに搭載され、多くのファンを魅了しました。今日、水素ロータリーという水素を燃料とした環境型エンジンにも応用されています。

SVの概要とは

サイドバルブエンジンとは、吸排気のバルブがシリンダーブロックの横に配置されているエンジンでその名前もその構造から「サイドバルブ」(SV)と呼ばれています。
初期のエンジンの標準的な構造で、バルブはシリンダーヘッドの下方に取り付けられたカムシャフトに連動して駆動される仕組みになっています。
インテークマニホールドが曲げて取り付けられているため、大きさに無駄が多く、燃焼室の圧縮比を高めることが難しくなっています。現在ではDOHCやSOHCが自動車・オートバイのエンジンの主流となっていて、すでに旧式のエンジン機構と認識されています。
しかし、構造が非常にシンプルであるためにシリンダーヘッドと共にエンジン全体をコンパクトにまとめることが出来、エンジン内部の駆動部品が少ないために故障の少ない丈夫なエンジンと言えます。
シリンダーヘッドに点火プラグ以外の付属部品を取り付けることが不要で、シリンダーヘッドを取り外しての修理や調整が簡単に行えるのも特徴です。
その丈夫な特徴から、近年まで共産圏で、軍用バイクとして使われており、また、現在でもサイドパルブ構造のエンジンを使ったオートバイやサイドカーが中国では生産されています。

SOHCの概要とは

SOHCとは、Single OverHead Camshaftの略で、エンジンの機構の一つです。
OHC(OverHead Camshaft)、1カムOHCとも呼ばれ、カムシャフトがバルブの上部に設置されている構造で、この1本のカムシャフトによって吸気と排気のバルブを動かす方式です。
ただし、V型や水平対向エンジンの場合は、カムシャフトが2本となる場合があります。
1897年に開発され、1960年代以降に一般の乗用車用として普及し、20世紀初頭から高性能自動車エンジンや航空機用エンジンに使われました。
特徴として部品点数がOHVやDOHCより少なくなる為、軽量小型で安価になり、整備性も良くなります。
他にもカムシャフトが1本である為、エンジンのエネルギーを強く反映させることが出来る機構になっています。
それにより、DOHCエンジンと比べて、駆動抵抗が少なくなり、多くのエネルギーを効率よく回転につなげられることによって、燃費も良いエンジンに仕上げやすいメリットもあります。
しかし、現在主流となっている燃費向上やエンジンをコントロールする、可変バルブタイミングコントロールシステムの効果が低いことから、自動車市場の多くはDOHCエンジンが採用されています。
DOHCエンジンと比べて実用上は有利な面も多くあり、安定性、歴史が古いことから、今でも街中を走る自動車にも搭載されているエンジンです。

DOHCの概要とは

DOHCとはダブルオーバーヘッドカムの略でSOHC(シングルオーバーヘッドカム)のように一本のカムシャフトでのバルブ開閉に比べて負担が軽く、高回転を発揮するために適したもので、高性能エンジンの場合、ほとんどの車に用いられている。
2本のカムシャフトを使用するため、別にツインカムとも呼ばれます。
カムと言われてもわからない人も多いでしょうが、オルゴールを例に挙げて話をしましょう。
オルゴールはぜんまいを巻くことにより音が鳴ります。
オルゴールの中身を見たことがある人も多いでしょうが、ぜんまいにはカムシャフトが取り付けられ、シャフトが回転することで、シャフト表面にある、突起がオルゴールの羽を弾き、音色を奏でるもので、これが自動車に応用されているのです。
自動車の場合カムシャフトがシリンダーヘッドに取り付けられた吸排気バルブの上部に直接設定されており、SOHCのようにロッカーアームを使うことなく、部品点数が軽減され、吸排気効率が良いため、高出力が可能となります。
概念上としてはSOHCを踏襲し、効率よくこれを改良したかたちとなります。
ただし、シリンダーヘッドが2つになるツインカムはフォーカムと表記されます。

エンジンの特徴について

ベンツA-クラスに採用されているターボシステムには次の特徴があります。
エンジンで空気と燃料とを混合させ燃焼させる為には一定の比(空燃比=くうねんひ)があります。しかしこの比は一定ではありません。車に対する負荷は車の走り始め、低速走行時、ブレーキを掛けた時など諸々の状況で大きく異なります。燃料を薄めれば燃費は向上します。しかし出力は下がります。燃料を濃くすれば出力は上がります。しかし燃費は上がり、不完全燃焼した排気ガスが増え公害となります。車の走る状況を的確に把握し空気と燃料の比を変化させることで燃費の向上と出力・トルクの向上の両立を図るところに技術力が出るのです。
ベンツは一つの答えとして直噴式の技術「BlueDIRECTテクノロジー」を開発しました。希薄燃焼(燃料を薄くして動力に変える)と理論空燃比(燃料が完全に燃焼する空燃比)による均質燃焼(いいとこ取り)、その均質燃焼と成層燃焼(燃料の濃い分と空気の部分とに分けて時間差を持って動力に変える)を組み合わせた均質成層燃焼という各燃焼モードを走行状態に応じて切り替えて高い燃焼効率と出力の向上を実現しているのです。
これは重い車体を動かす原動力の力強さとアクセルを踏んだ時に原動力の力強さを発揮するまでの時間が短いという能力を示すと共に燃費を抑え環境には優しいということに繋がります。
A-クラスにはこのコンセプトに従った1.6リットルと2.0リットルの2種類が用意されています。

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